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リクエストQJキャスティングです。
美容師派遣の登録へやって来た高志くん。
スキルチェックはまだまだ続きます。
岩口さんの頭皮を気にしつつ・・・
もう一度シャンプーチェックをさせてもらう。
(確かに毛先が暴れてることまで気にしてなかったな・・・
おっと!耳に泡がかかりそうだ!!危ない、危ない・・・)
シャンプーを終えて上体を起こすと、タオルターバンの岩口さんがにっこり微笑んでくれる。
「うん、これなら問題ないですね。
毛先の動きにもきちんと気が配れていたと思います。
シャンプーはサロンさんによってやり方やルールも様々です。
ワンシャンなのかツーシャンなのか、コンディショナーをつけた際にマッサージはするのかどうか。
マッサージするならどのくらいの長さなのか・・・」
岩口さんの話を聞きながら、以前の勤務先でお客様からマッサージを褒められたことを思い出す。
(こんなに長くマッサージしてもらえてすっかり疲れがとれたよって喜ばれたな~♪)
過去の風景に思いを馳せてニヤついていた僕を岩口さんが現実に引き戻す。
「丁寧に時間をかけるほどいいと思われるかもしれません。
ですが、一概にそうとも言えないのが派遣のお仕事なんです。
例えばサロンさんのやり方を超えた長時間のマッサージ・・・」
(こ、この人、エスパーなのか・・・??)
「やりすぎてもダメなこともあるというか、まぁダメという表現は語弊があるかな・・・
サロンさんのやり方にはそれぞれの背景があります。
派遣キャストさんとしてお店のサービスのクオリティを下げないことはもちろんですが、決められた範囲内で成果を出す、これも大切な要素なんです。」
岩口さんの説明を聞いてなるほどなと思う。
派遣という働き方はいろいろなサロンを内側から知ることができるいい機会になりそうだ。
「高志さんのこれまでの経験が役立つこともあれば、思ってもみないやり方を知ることで新しい発見があるかもしれない。
そんな風にお考えいただけるといいかもしれないですね♪」
(この人・・・やっぱりエスパーなのか??)
柔和な笑みを浮かべる岩口さんをこっそり観察してみる。
思っていることが顔に出やすいタイプだと僕が知るのは、もう少し先の話。
(派遣コーディネーターって、ただ仕事を案内するだけじゃないみたいだな・・・)
エスパー岩口さんとの出会いはこれからの美容師人生を楽しいものにしてくれそうな気がする。
「それでは次はカラーのチェックになります。こちらにどうぞ。」
岩口さんに促され移動すると、スキルチェック講師の武木さんが待っていた。
最初に派遣の登録用紙を記入した時、いろいろ説明してくれた人だ。
「はい、それではいまからカラーのチェックをします。」
武木さんの説明を聞きながらふと周りを見ると、一緒に派遣登録の説明を聞いた人たちがそれぞれチェックを受けていた。
ウィッグをカットしている人、ブローしている人、ワインディング中の人・・・
「高志さーん?スタートしますけど大丈夫ですか??」
武木さんの声に我にかえる。
僕の視線の先に気づいた武木さんが、登録用紙に目をやった。
「パーマはご入客経験がないので今日はチェックしないのですが。
もし勉強されたいお気持ちがおありなら、無料講習に参加されるのはいかがですか?」
そういえば説明の時にもそんな話があった気がする。
「あとは、派遣のお仕事をしながらアシスタント育成プログラムに参加されるのもいいと思いますよ。」
アシスタント育成プログラム???
勤めていたサロンを辞めてなんとなく見つけた美容師派遣。
実家に帰るわけにもいかず、家賃も払わないといけないし。
とりあえずの急場しのぎと思って登録してみたけれど・・・
(これは思ったより長く濃い時間になるのかもしれないぞ)
続く・・・