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リクエストQJキャスティングです。
美容師派遣の登録へやって来た高志くん。
シャンプーチェックを終えて次はカラーへ。
スキルチェックの続きです。
バックナンバーはこちら→美容師派遣に登録してみた22歳アシスタント高志くんの物語Vol.8
(派遣美容師って正直、もっと気軽に登録して仕事案内してもらえるのかと思ってたな・・・)
気を引き締めて心の準備をする。
スキルチェック講師の武木さんがタイマーを入れた。
2度目のカラーチェックは、無事合格となった。
「それでは以上でスキルチェックは終了となります。お疲れさまでした。
この後は担当のコーディネーターよりお仕事のご案内をさせていただきますね」
にこやかに僕を見つめる武木さん。
僕は気になることを聞いてみた。
「あ、あの・・・もしかして、アシスタントを育成するプラグラムの講師も武木さんがされてるんですか?」
やさしく微笑む武木さん。
「はい、そうですよ。ご興味ありましたらぜひ参加してくださいね」
「はい!ぜひ参加させていただきたいと思います!!!」
気づけばそう口走っていた。
前向きな転職をするつもりで最初のサロンを辞めたものの、母親にこの先どうするんだとガミガミ言われ・・・
まずは生計をたてるつもりで、なんとなく見つけた派遣美容師のキーワード。
ここに来てからの僕は驚きの連続だ。
(そういえば・・・初めてこの会社に電話した時、いつも美容師さんの味方ですとかなんとか言ってたな・・・)
軽い気持ちで登録にきた僕に、岩口さんも武木さんも、全力で向き合ってくれているのが分かる。
いい会社、なのかもしれない・・・
「高志さん、お疲れさまでした。改めまして、高志さんを担当させていただきます派遣コーディネーターの岩口です」
道具を片付け荷物をまとめていると、岩口さんがやってきた。
これから別室に移動して、仕事の希望を聞いてくれるらしい。
「あの、さっき講師の武木さんにもお伝えしたんですが。
僕、アシスタント育成のプログラムに参加したいと思います」
前を歩いていた岩口さんがゆっくりと振り返る。
てっきり歓迎してくれると思っていた岩口さん。
その表情は思いのほか、笑っていなかった・・・
「育成プログラムは、どこのサロンさんでお仕事をしていただいても恥ずかしくない、プロの美容師さんを育てるためのプログラムです。正直かなり厳しいですよ」
真剣な顔で見つめられ、思わず足が止まる。
そこで岩口さんが、ニヤリと笑った。
「でも、厳しい環境で練習するからこそ、成長もあると思います。
高志さんは、そんな環境を求めていらっしゃるのではないですか?」
出たーーー!エスパー岩口!!!
「僕、美容師の仕事が好きなんです。でもなんだか思うようにうまく行かなくて・・・
もう一度ちゃんと初めから、頑張りたいと思ってます」
自分でもビックリするくらい、素直な言葉が口をついた。
岩口さん、恐るべし・・・
(もう、とりあえずこの人に、この先の僕を委ねよう・・・)
「大丈夫です。まだ短い時間ですが、高志さんが美容のお仕事が大好きなことはガンガン伝わってきます。その気持ちがあれば、きっとうまくいきますよ。ただ・・・」
そこで言葉をきった岩口さんが、じっと僕を見つめる。
「そのためには、まず自分で考えて行動する。
高志さんの美容師人生をつくっていくのは、高志さん自身ですからね。
人に委ねようなんて思っていたらダメですよ・・・笑」
やばいやばいやばいやばい。エスパーだ。もうこの人絶対エスパーに違いない・・・
カウンセリングルームに着くと、岩口さんと向かい合って席に座る。
岩口さんがニッコリ微笑んだ。
「まずはこの先、どんな美容師人生を描いていらっしゃるのか、聞かせていただけますか?」
続く・・・