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リクエストQJキャスティングです。
美容師派遣の登録へやって来た高志くん。
いよいよスキルチェックがスタートします。
武木さんのアドバイスを受けながら派遣登録用紙の記入を終えて、ほっと一息つく。
登録に来た美容師は僕を含めて5人。
全員の記入が終わると派遣コーディネーターの岩口さんが話し始めた。
「本日はスキルチェックにご来社いただきありがとうございます。
私は派遣を担当しております岩口と申します。よろしくお願いいたします。
いまから30分程度派遣についての説明をさせていただいた後、スキルチェックを受けていただきます。
スキルチェック終了後に、みなさまそれぞれに担当のコーディネーターがつきますので、その者からお仕事のご案内をさせていただきます」
パラパラと資料をめくってみる。
派遣のシステムについての説明はかなり細かいものだった。
時給は変動制、交通費は最安値検索の金額を往復分支給。
1度引き受けた仕事はキャンセルできない。
無断で派遣先に就職してはいけない。
丁寧な応対にすっかり緊張がほぐれた僕は、お客様気分にさえなっていた。
なんならこの説明もちょっと疲れたくらいだ。
担当のコーディネーターってどんな人がいるのかな?
やさしそうだし、岩口さんが担当だったらいいのに・・・
ま、誰が担当でも怖い対応なんてされるわけないか。
「挨拶はお仕事の基本です。ご自身の印象にもつながりますので特に出退勤時は気をつけましょう」
派遣先での就業態度についてまで説明があるのか・・・
そんなこといちいち言わなくても大丈夫だと思うけどな・・・
「社会保険のご加入、有給休暇の取得についての詳細をご希望の方は、担当のコーディネーターまでご相談ください」
仕事を案内してもらえて社会保険にも入れて、おまけに有給休暇も取れる。
うんうん、いいぞいいぞ。
「タイムシートの始業時間は契約開始時間をご記入いただきます。
ただし出勤時間に関しましては社会人として10分~15分前にはサロン様に到着しておいて頂きますよう、お願いいたします」
興味のある項目の説明には自然と集中できる。
だけど働く心得みたいなものも含めて、細かい説明はまだまだ続いた。
ヤバイ・・・
集中力が切れてきた・・・
なんとなく視線をさ迷わせていると、説明中の岩口さんとバチッと目が合う。
岩口さんは言葉を続けながらやさしい微笑を向けてきた。
マズイ・・・
気まずい思いで資料に目を落とす。
何事もなかったように説明を続ける岩口さん。
「こちらで派遣の説明は終了となりますが、何かご質問などはございませんか?」
結局、岩口さんが説明を終えるまで、1度も顔をあげることができなかった。
説明にあった書類の記入を終えるといよいよスキルチェックが始まる。
派遣コーディネーターらしき人たちが次々とやってきた。
コーディネーターって思ったよりいっぱいいるんだな・・・
僕の担当になるのはどの人だろう?
キョロキョロしていると岩口さんが近づいてきた。
その素敵な笑顔をまともに見ることができず目を伏せる。
「高志さん、お疲れさまでした。
派遣の説明はよく分かりましたか?」
き、気まずい・・・
僕の担当は岩口さん以外でよろしくお願い・・・
「改めてご挨拶しますね。
高志さんを担当させていただきます岩口と申します。
それではまず、シャンプーからチェックさせていただきますね」
続く・・・